ご自宅での過ごし方ひとつで子供のむし歯は予防できますLIFESTYLE
小児歯科はむし歯の予防や治療などを行う場所ですが、あくまで健康な状態を維持するための「お手伝い」しかできません。お子さんの歯の健康を本当に守ってあげられるのは、親御さんだけです。そのため、親御さんをはじめとするご家族全員が、むし歯の正しい知識や予防法について知っておく必要があります。こちらのページでは、二子玉川の歯科医院「歯いしゃのケンさん」が、ご自宅で実践できるケアや生活習慣についてお教えします。
ダラダラ食べはさせないようにしましょう
ダラダラといつまでも食事を続けるような習慣があると、むし歯になりやすくなります。しっかり歯みがきを行っていても子供がむし歯になる、という場合は、この「ダラダラ食べ」について見直さなくてはいけないかもしれません。お子さんがどのように食事をしているか、一度しっかりチェックしてみましょう。
ダラダラ食べがむし歯になる理由
食事やおやつ、または糖分を含んだジュースなどを常に口にしているような状態では、お口の中が酸性に傾きやすくなり、むし歯菌にとって歯を溶かしやすい環境となってしまいます。本来、中性の状態が正常である口腔内では、酸によって歯からミネラル分が溶け出す「脱灰」と、歯が脱灰によって失ったミネラル分を吸収する「再石灰化」が繰り返されています。しかし、口腔内が酸性に傾くと再石灰化の働きが弱まり、結果としてむし歯が進行してしまうのです。
お口の中が中性だと…… | お口の中が酸性になると…… |
脱灰と再石灰化がバランス良く繰り返され、むし歯菌が進行しづらい環境になります。 | 再石灰化が追いつかなくなり、むし歯菌が歯を溶かしやすい環境となってしまいます。 |
お口の中を中性に保つためには
正しい食事習慣 | 「ダラダラ食べ」をやめ、一日3食の規則正しい食事習慣を身につけることが大切です。これにより、長時間にわたって口腔内が酸性になることを防止できます。 |
---|---|
食後の歯みがき・口ゆすぎ | 食事が終わったら、すぐに歯みがきを行う習慣を身につけましょう。歯みがきが難しい場合には、口をゆすぐだけでも違います。口ゆすぎにお茶を使用するのも効果的です。 |
仕上げみがきを行いましょう
子供の頃は歯みがきが上手にできるものではありません。みがき残しはむし歯や歯周病のリスクにつながるので、必ず親御さんがチェックをしてあげるようにしましょう。そして最後に「仕上げみがき」をすることで、より予防につながりやすくなります。食後だけでなく、間食の後などにもぜひ実践してみてください。
上手な仕上げみがきのポイント
やさしく歯に触れる | 強くごしごしみがくとお子様が歯ブラシを嫌いになってしまうかもしれません。やさしく歯に触れるようにして、小刻みになでてあげるようにしましょう。 |
---|---|
定期的に新しいブラシに変える | 新しい歯ブラシは子供にとっても気持ちが良いものです。また、カラフルな歯ブラシなどはお子さんの興味を惹くことにもつながるでしょう。 |
糸ようじなどを使う | 歯ブラシだけではなく、歯と歯の間の汚れを取り除くためには糸ようじなどを通すことが効果的です。仕上げみがきの際にぜひ取り入れてください。 |
Pick Up! 寝る前の歯みがきの重要性
唾液にはお口の中を洗浄する効果があります。しかし、就寝中はこの唾液の分泌量が少なくなってしまうものです。そのため、プラークに潜む病原菌が繁殖しやすくなり、結果としてむし歯や歯周病につながってしまいます。大人であっても子供であっても、寝る前に歯をみがくことは非常に重要なことなのだと覚えておきましょう。
母子感染を防ぐには
生まれたての赤ちゃんのお口にはむし歯菌が存在していません。ご家族のキスや食器などの共有によって、いつしかお子さんのお口の中に菌が持ち込まれてしまうのです。この「母子感染」を防止するには、以下のような注意が必要です。
- スキンシップを考え、家族全員が健康な口腔内環境の
維持に努める - 同じ箸・スプーン・食器などは使わないで、
赤ちゃん専用のものを用意する